エピクロスの快楽主義という哲学

 

 

エピクロスとはどんな哲学者なのか?

 

 

どうもどうも( ´ ▽ ` )ノ

 

ともぴこです。

 

今回は哲学コラムでエピクロスというマイナーな哲学者を紹介したいと思います。

 

これまた長くなりそうなので、ご了承下さい。

 

 

 


まずですが、英語で今「快楽主義者」の事を「エピキュリアン」と言うのですが、この言葉の語源は、世界で初めて快楽主義を唱えた今回の哲学者【エピクロス】からきた言葉です。

 

 

なので、とりあえずエピクロスは快楽について考えた人だ!】と思っておいて下さい。

 

 

 

実際にエピクロスは快楽を全面的に肯定していて(あの時代では先進的)

 

 

その上で


食欲
性欲

金銭欲
結婚
知識欲
承認欲求欲


など、様々な快楽について研究した哲学者です。

 

 

例えば

「食欲は自然で必要な快楽だな。うんうん。」
「でも性欲は自然であるけど必要不可欠な快楽ではないな(子供は性欲ないしね!ご老人も?)」
「美しくあることも快楽だが、美しさを追求しない人もいる。うーむ」

 

などなどと考えていくうちに、エピクロスはとある最も優れた快楽を見つけます。

 

 

 

 

それが、、、、、

 

 

 

 


愛のあるSEX!!!

 

 

 

ではなく(うーん、これ大事だけどな笑)

 

【知恵である】


という結論を下しました。

 

 

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エピクロス曰く、食欲や性欲は身体的な快楽は「動的快」であるのに対して、、、、、、、

 


みたいな話が続くのですが、この話は別に面白くもないし、あんまり勉強にもならないので続けません笑

 


そしてどうでもいいですww

 

 

とりあえずエピクロス【快楽主義を唱えた哲学者。そして最高の快楽は知恵と考えた人】と認識して下さい。

 

 

 

 

 

 

 ◆皆さんにクイズです

 

今回はそんな事よりも、皆さんに気付いて欲しい事&考えて欲しい事があります。

 

 

私はこれまでブログで、エピクロス以前の哲学者


タレス
プロタゴラス
ソクラテス
プラトン
アリストテレス


などの思想や考え方を書いて来ました。

 

 

ほらほらこんなに記事があるよw

 

タレス

世界最古の哲学者「タレス」の名言と、彼がモノの本質を考えるに至った理由 - はぎのともぴこの幸福論

アリストテレスと中庸
http://pikonotisikidana.hatenablog.com/entry/2017/08/06/110315

アリストテレスと四原因説
http://pikonotisikidana.hatenablog.com/entry/2017/10/03/151844

プロタゴラス相対主義
http://pikonotisikidana.hatenablog.com/entry/2017/08/23/121809

ソクラテス
http://pikonotisikidana.hatenablog.com/entry/2017/09/03/105619

プラトンと愛
http://pikonotisikidana.hatenablog.com/entry/2017/09/21/104924

 

 

 

ちなみに各々の主張は

 

 

タレス→万物の根源は水である

プロタゴラス→世界や物事の捉え方は人それぞれである(相対主義

ソクラテス無知の知のマインドと産婆術で、物事や世界の本質に近づく

プラトン→ものの本質はイデア界にある(イデア論

アリストテレス→物事の全ては四原因説で説明できる

 

です。

 

 

そして今回のエピクロスの主張は

 

【快楽は素晴らしい(快楽主義)その中でも最も優れた快楽は知恵である】というものです。

 

これまでの哲学者と比較して何か気付きませんか?というか気付いて下さいw

 

きちんと比較して、抽象度を少し上げて頂ければ、気付いてもらえるかと思ってます。

 

では、問題です。

 

 

問題①
エピクロスと、これまでの哲学者との違いはなんでしょう?

 

問題②
その違いが生まれた原因やコンテクストは何だと思いますか?

 

 

下に読み進める前に、ガッツリ自分の頭で考えてみて下さい。考えるのが哲学ですから。

 

 

 

 

 

 ◆エピクロス以前の哲学と、エピクロス以後の哲学の違いは?

 

 

では、私なりの回答です。

 

 

これまでの哲学者


タレス
プロタゴラス
ソクラテス
プラトン
アリストテレス


達は

世界の真理
この世の本質
ものの本質の様な

 


大きくて抽象的なテーマ、いわゆる「この世界」について考えていたのですが、

 


エピクロスはこれまでの哲学者とは違い、万物とか世界の法則とかいうものは置いておいて、より具体的な人間の生き方や在り方について考察した人物です。

 

 

その結果【快楽は素晴らしい(快楽主義)その中でも最も優れた快楽は知恵である】という結論に至ったんですね。

 


今までの哲学者→世界・万物の考察
エピクロス~後の哲学者→人間についての考察


となっていきます。

 

 

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エピクロスが今までの哲学者とは違った発想になった理由とは?

 

 

これはかなり厄介な解説になるので、気が向いたら読んで下さい笑

 

まずですが、エピクロスは激動の時代に活躍した哲学者です。

 

どういう意味で激動かというと、アリストテレスが家庭教師とあれこれ教えた大王「アレクサンドロス」が【世界国家】というものを、歴史上初めて作り上げようとしていた時代です。

 


アレクサンドロス大王は日本で言えば、戦国時代の「織田信長」の様なもんです。


織田信長はこれまで日本各地にいた大名(ポリス)を統一して「統一国家・中央集権国家」を作ろうとした人物で、それを西洋で初めてやろうとしたのが「アレクサンドロス大王」です。


この世界的な動きのために、ギリシア人のエピクロスは急に今までのポリス内から世界へ放り出される形になりました。

 

 

 

このためにエピクロスは強制的に【ポリス規模からの思考から、世界レベルの思考へ】と次元を進化させ、さらには《このカオスな世界を生き抜くための思考》をしなければいなくなりました。

 

 

この《このカオスな世界を生き抜くための思考》こそが

 

 

人間とは何か?
私達は何をすべきか?
を考える契機になったのです。

 

 


まとめると


エピクロスギリシアのポリスに生まれる

ポリスの中でまったりのんびり思考して生きる

アレクサンドロス大王登場

アレクサンドロス大王のポリス統一戦

ポリスがどんどん併合され統一国家へ向かう

自分のポリス内の思考だけでなく、世界規模で思考する必要が出てくる

このカオスな世界を生き抜かなければならない

政治や社会に期待しない

個人でどう生きるか?

個人の生き方を考える

ゼノンの禁欲主義、エピクロスの快楽主義が出てくる(人間はどう生きるべきか?)

 


こういう歴史の流れがあって、エピクロスの様な哲学者が生まれ、今までの哲学者とは大きく違う傾向が出来たのです。

 

これが、エピクロスが今までの哲学者とはテイストが違う理由です。

 

 

 

 

◆現代でも同じ事が繰り返されている?

 

さてと、とりあえずエピクロスの解説は終了しましたが、実はこのアレクサンドロス大王織田信長が起こした【価値観のぶっ壊し】と似た現象が、今起こっています。

 

 

正に歴史は繰り返す!!!!

 

それがグローバル化・ボーダレス化】です。

 

エピクロスのパターン、織田信長のパターンと良く似ていませんか?

 


「ポリス」「大名」という既存の価値観がぶち壊れたあの時代、

そしてグローバル化・ボーダレス化という流れができ「日本国内で」という価値観がぶち壊れた今の時代、

 

とても似ていますよね。

 

 

そして、こういう似た現象が起きているので、これからの時代は【人間はどう生きるべきか?】という問いを各々がしていく事になるでしょう。

 

 

もっと言うなら《個人の時代》になっていきます。

 

つまり《個人が自分の生き方を考え、各々が活躍する時代》になっていきます。

 

というか、もうとっくにこの傾向になっていますよね?


これから個人が生き方や働き方をデザインして、時には能力を持った個人がタッグを組み仕事をする「アベンジャーズ」的な働き方も増えていくと思います。

 

 

逆に、これまで当たり前とされてきた


60歳定年神話
正社員安定神話
公務員安定神話


の様な過去のものは、どんどん廃れていくでしょう。

 

ここに乗っかるというのは、個人的には沈み行く船に自ら飛び乗る「自殺志願者」の様な気もします。

 

 

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この辺の話はまた別記事で、死ぬほど書かせてもらえたらと思います。

 

 

 

ではでは( ´ ▽ ` )ノ
今日も貴重なエネルギーを使い読んで頂き、ありがとうございました

 

 


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