ソクラテスの思想「無知の知」を、どこよりも分かりやすくまとめました

ソクラテスについて

 

どうもどうも( ´ ▽ ` )ノ

ともぴこです。

 

 

今日は久しぶりに哲学者の紹介です。

 

 

過去に

タレス」これ→世界最古の哲学者「タレス」の名言と、彼がモノの本質を考えるに至った理由 - はぎのともぴこの幸福論

プロタゴラス」これ→「プロタゴラス」の相対主義をどこよりも分かりやすく解説しました - はぎのともぴこの幸福論

 

 

などを紹介してきましたが、今回は上の2人とは違い認知度の高い、あのムチムチで有名な、いや無知の知で有名なソクラテスさんです。

 


この方は名前ぐらいは知ってる人も多いと思いますが、ちょいと詳しく解説していきますねー!

 

 

 

 

 

 

ソクラテスの思想「無知の知」の原点

 

前回も書いた通り、プロタゴラス【物事の考え方や見え方は人によって違う】というある意味真理過ぎる結論を出したため、哲学は袋小路に入っていました。

 

 


この危機的状況をぶち破ったのが、ソクラテスです。

そういう功績があるからこそソクラテス「哲学の父」の呼ばれるワケです。

 

 


そんなソクラテスの最初の原動力のきっかけになるのが、神のお告げですw

 

 


というのも、ソクラテスが40代半ばの頃、ふつ~のソフィスト(哲学者)として燻っていた頃「デフォルイの神託」がありました。

 

 

「デフォルイの神託」を噛み砕いて言えば、超神聖な神殿の巫女さんが聞く「神のお告げ」の事です。

 

日本で言えば、神社で巫女さんが神のお告げを聞く感じです。

 

そのお告げの内容が衝撃的で

 

 

 

ソクラテスより知恵のあるものはいない》というものでした。

 


これを聞いてソクラテスは「うそーーーん!!!」とびっくりするワケです。自分より賢い人は沢山いると思っていましたから。

 

だからといって「ウソウソ。そんなのありえへんやん」と受け流すワケにもいかないんです。

 

というのも、古代ギリシア人にとって「デフォルイの神託」は絶対的なお告げだからです。

 

 

 

つまり、ソクラテス【う、ウソだろ。俺はそんなに賢くないぞ....でもお告げが言ってるんなら間違いないんだろうなぁ。】と考えるようになります。

 


そして彼がとった行動が「確認しよう!!」です笑

 

実際な偉大な知恵者(ソフィスト)と会いまくって、対話しまくる様になります。


本当に自分が1番賢いのかを確認する旅に出るワケです(まぁギリシア内ですが)

 

そうやって、たくさんの知恵者と会い対話をした結果、分かってきた事がありました

(ここでもデータ量は大切)

 

 

 

それが

 

《自分より知恵のある人は沢山いたが、彼らは全てを知ってるわけではなかった》という事実です。

 

 

 

 

 

 

そして、ソクラテスはこう思うワケです。

な〜んだ。賢者と呼ばれるソフィスト達はドヤ顔で何でも知ってる風で生きているが、実は自分や庶民と何ら変わらず知らない事ばかりで、知ったかぶりをしているだけじゃねぇか、、、と笑

 

 

おまけに知ったかぶりをしてる分「タチが悪いな」と思うワケですw

 

 

 

そうしたプロセスから、ソクラテス【私は彼らとは違い自分の無知を自覚し認めている分だけ、彼らより優れているのではないか?】という結論に至ります。

 

 

要するに

 


ソクラテスより知恵のあるものはいない」の意味を【自分の無知を自覚しているという点において、私より知恵があるものはいない】という解釈にしました。

 

 

 

 

これが、有名な言葉

 

 

 

無知の知

 

 

の意味です。

 

 

自分が何にも知らない事を知れ!ってことです。

 

自分が無知であることを知り謙虚になり、その上で更に物事を知ろうとすれば、より賢くなり真理に近付く事ができる。というのが「無知の知」という言葉の裏に隠れたコンテクストです。

 

 

 

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先日私がFacebook

 

成長すればするほど、自分がいかに未熟でバカでポンコツであるかに気付く。

だからこそ、自己研鑽がどんどん止まらなくなる( ´ ▽ ` )

 

と書きましたが、これは「無知の知」のことです。

 


自分を「賢い人間だ」と思い傲慢になり、謙虚さを忘れた人こそが【真のおバカさんだ】という事です。

 


自分に対して自信を持つという事と、知に対して謙虚になるというのは、実は全く別のことですからね。

 


つまり、ソクラテスは誰よりも賢いソフィストなのではなく、誰よりも知に謙虚なソフィストであり、そのため【哲学の父】と呼ばれるんです。

 


プロタゴラスの「人それぞれ論」はそれ以上の真理を知る機会を逃してしまう「クソ意見だ」という考えが、周りにも広がっていくことになります。


良い意味のパラダイムシフトを起こしたんですねー!

 

 

 

 

 

 ◆ソクラテスの真理へのせまり方

 

では、ソクラテスが自分の無知を認識して、どうやって真理に迫っていったかというと

 

 


【問答法】です。

 


簡単に言えば「ひたすら質問しまくる」ってことです。


何で?何で?どうして?それで?何で?


と質問を繰り返して、真理や本質に近づこうとしたんですね。

 

 


この記事で→哲学を学ぶ意味はこの3つに集約されます - はぎのともぴこの幸福論

私は【哲学は何で?の学問】と言いましたが、それを徹底的に行ったのがソクラテスです。

 

 

そしてこれも言いましたが「何で?」を7回繰り返すと、どんな具体的なモノから議論を始めても、誰も答えられなくなります。

 


何でを繰り返すと「無知」も体感できるってことですねー!

 

 

 

そしてこの問答法は別名「産婆術」とも呼ばれたりします。

 

 


というのも、相手に沢山質問してあげるという行為は《相手が自分で答えを見つけ出すためのお手伝い》と直結するからです。

 

 

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よくコンサルティングを「知識や情報を教えるものだ」と勘違いしている痛いコンサルタントがいますが


コンサルタントの本来の仕事は質問を通して、クライアントの中にある答えを出すお手伝いをすることです。

 

なので、私は最初にとにかく質問しまくります。それは「産婆術」をやってるってことですね。

 

大体、問題の答えはクライアントさんがそもそも持っているので、それを引き出すのがお仕事だ。って事です。

 

 

と、話が逸れましたが、ソクラテスはそういう感じで【問答法】を駆使して、真理に迫っていったソフィストでした。

 


ただし、単に「何で?」を繰り返すと、捻くれたクソ野郎との称号をもらい友人達から嫌われる可能性があるので、質問は上手にして下さいね。ここで質問力が必要になりますw

 

 

 

 

 

ソクラテスのかっこよすぎる死に様

 

そんなソクラテスも、最終的には影響力を持ち過ぎたり、自分の弟子がギリシアの政変に関わっていた事などから裁判にかけられ

 


【死刑】の判決を下されます。

 


冷静に、ソクラテスの行う問答法というのは権力機構や神を崇拝するものにとっては、とてもじゃありませんが喜ばしいものではないですからね。

 


問答を繰り返せば、神や政治のあり方の根底まで揺らいでくるので。

 

 

ただ実は【死刑】の判決を下されてから、ソクラテスには30日の執行までの猶予期間がありました。

 

 

そして誰もが、その間に国外逃亡をして死刑を免れるだろう。と予想していましたし、裁判の関係者も「殺すには惜しい人材」ということで、その国外逃亡を促す猶予を敢えて加えました。

 


が、ソクラテスは一切逃げず、それどころか自分から毒を飲み自殺して死んでしまいます。

 

この自殺が何を意味するのかは未だに分かっていませんが、それだけ熱い男だったのは確かです。

 

 

ということで、今回はソクラテス特集でした^ ^

 

 


大切な概念は

 


無知の知
問答法
産婆術


です。ぜひ日常に応用してみて下さい。



 

 

 

◆最後にソクラテスの名言・格言をいくつか紹介しておきます

 

人間の最大の幸福は、

日ごとに徳について語りえることなり。

魂なき生活は人間に値する生活にあらず。

 

 

幼にして謙遜なれ。

弱にして温和なれ。

壮にして公正なれ。

老いては慎重なれ。

 

 

 

本を読むことで

自分を成長させていきなさい。

本は著者がとても苦労して

身に付けたことを、

たやすく手に入れさせてくれるのだ。

 

 

我々が皆自分の不幸を持ち寄って並べ、

それを平等に分けようとしたら、

ほとんどの人が今自分が受けている

不幸の方がいいと言って

立ち去るであろう。

 

 

金持ちがどんなに

その富を自慢しているとしても、

彼がその富をどんなふうに使うかが判るまで、

彼をほめてはいけない。

 

 

 

 

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