フランシスベーコンの4つのイドラと「知性」を獲得するための大前提

フランシス・ベーコンの基礎を復習

 

 

どうもどうも( ´ ▽ ` )ノ

 

 

ともぴこです。

 


前回から近代哲学の創始者「ベーコン」について解説しています。

 

 

この記事→近代哲学の祖「フランシス・ベーコン」の【知は力なり】という名言の意味・真意 - はぎのともぴこの幸福論

 

 

彼の名言【知は力なり】

 

 

意訳1
知識や知恵は力だ。武器だ。
だから真理を追い求め学べ。


意訳2
自然科学とそこから応用される技術開発は、人間に大きなメリット(健康・医療・仕事の円滑化など)がある。だから「知」を学べ。

 

の2つがあるというお話をしました。

 

 

特に後者が大切で【学問と社会の融合】を促す考え方で、とても画期的だった。という内容でしたね。

 


忘れた方は、ぜひ復習してベーコンマニアになって下さいね!

 

 

 

 

 

◆どうやって「知」を獲得するのか?

 

 

さてさて、ベーコンは常にコンセプトとして「知を獲得して活用しろ!」というのを掲げていたんですが、そうなると当然「じゃあどうやって知を獲得するの?」というお話の展開になってきますよね。

 


ベーコンもきちんとそこを説明しています。

 

 

 

ベーコンが提唱したのは【知を得るためには、一切のイドラを排除せよ】というものです。

 

 

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【イドラ】というのは、ベーコンが開発した用語で、日本語訳だと「偶像」と訳されます。

 

まぁこれだと非常に分かりにくいので
【イドラ≒偏見・先入観】と捉えてもらって、何ら問題ありません。

 

 

つまり、ベーコンは《知を得るためには、一切の偏見や先入観を排除せよ》と主張したのです。

 

 


知を得たり、真理に近づくためには、思い込みや偏見が1番の邪魔になりますからね。

 まずはそこを排除しようとしたわけです。

 

 

ちなみに、簡単に「一切の偏見や先入観を捨てよ」と言ってますが、冷静に考えてこれはクソ難しいです。

 

基本的に私たちの頭の中は、過去の知識や経験によって構築された「独自の偏見」が山ほどあります。

というか、ほぼほぼ偏見です。

これを一旦脇に置き、フラットに物事や人に向き合うというのは、簡単な様で激ムズです。

 


例えば、清貧は素晴らしいと勘違いしている割合が多い日本人は、お金を沢山稼いでる人を見ると「きっと、悪い事をしてるに違いない。だってほら〇〇も捕まったじゃん」みたいに言う人が多いですが、これも立派な偏見です。

 

 

〇〇さんとお金持ちはイコールではありませんし「お金持ちが悪」という方程式は偏見です。

ちゃんと冷静に考えてみれば、お金に余裕がある人よりも貧困に苦しんでる人の方が、犯罪を起こす事は多いんですけどね。

 

 

他にも「あいつは良い時計をしてるから金持ちだ」とか「宗教に入ってるから頭おかしい」とか「巨乳の女はバカ」とかも、全て偏見です。

 


実はこれ、私達のような20代よりも、50〜60代と、年をとっていけばいくほど、強固で意味不明なガチガチな偏見ができてるイメージがありますね。

 

 

ま、何はともあれ「偏見や思い込み」を無くすのは非常に難しく、それらの余計なフィルターがあると、物事もきちんと理解できないし、真理に近付けないという事です。

 

 

ベーコンはだからこそ《知を得るためには、一切の偏見や先入観を排除せよ》と主張しているんですね。

 


そしてベーコンは【イドラ】つまりは偏見や先入観を、4つの種類に分けました。

 

この4種類の偏見を、人間は持ちやすい。という事です。

 

 

 

 


洞窟のイドラ


これは個人個人特有の、自分の人生が基盤になっている偏見です。


簡単に言うなら、子供の頃先生や両親に教わった事や、家庭や環境のルールや習慣などを正しいと信じ、その狭い価値観によって世界全体を判断してしまう。

 

つまり「洞窟の中=世界の全て」と思ってしまう事に寄って生じる、偏見の事です。

 

例えば「日本食こそ世界で最も美味しい料理である!」と言っても、世界中に行き、あちこちの料理を食べた事がないのなら、それは偏見の可能性が高いです。

 

世界にはもっと美味しい料理があるかもしれませんから。


食った事ないのに「日本食が1番」って言ってるのは、偏見でしかありませんよね。


言葉を変えれば
井の中の蛙大海を知らず」にも似ています。

 

 

 

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他にも「俺はこう育ったんだから、お前もそうしろ」とかいうアホな人もこれになります。

 

 

 


種族のイドラ


これは非常に説明しにくいのですが
「人間共通の先入観」の事です。

 

 

要するに、人間が元々持っている知性や感覚が、いつも正しい認識をしているワケでは無いという事です。


例えば「女性は感情的、男性は理性的」の様な、当たり前の如く言われている事も先入観であり、そんなもんは人それぞれです。個体差があります。


地球にいると、地球の周りを他の星が回っているように錯覚してしまいまい「天動説」を唱え出すの何かも、完全にこれです。

 

 

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劇場のイドラ

 


これは【権威や伝統から生じる思い込み】です。

 


例えば、過去の偉大な哲学者の意見や、キリストの教義などを、頭から無条件に盲信するな!という事です。

 

 

SNSなどを見てる限りだと、これをやらかしてしまってる人はかなり多いです。

 

 

単にシェアされて流されてきたデマ情報を「みんながシェアしてるから正しいんだろう!おそらくこうなんだ!」と思い、デマ情報を喜んでシェアしてる方々多いです。

 


ベーコンから言わせれば「知がない方々」になります。

 

 

他にも宗教の教典や聖書も正しいかどうかは分かりませんし、国の発表や教科書に書かれている事も真実かは分かりません。

 

ましてや「年収3000万の〇〇さんが言っていたから正しい」とかはもってのほかです。

 

大学教授の肩書きも、新聞もそうです。

 

何が正しいかは、自分の目で見て考える必要があるワケです。

 

つまり、私の言ってる事も「頭から鵜呑みにしちゃいけない」って事ですからね。

 

 

 

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市場のイドラ

 

言葉の不適切な使用によって生じる偏見・先入観のことです。

 

ベーコンは人と人とが出会う場所を「市場」と呼んでいるので、今でいうビジネス上の市場とは違うのでご注意下さい( ´ ▽ ` )ノ


私達が日頃使っている「言葉」というのは、人々のコミュニケーションを円滑にする最強の便利グッズですが

 

人によって理解力には差がありますし、さらに同じ言葉でも人によって「言葉の定義」が違います。


そこから、誤解が生じて様々な偏見が生まれるという事です。

 


例えば「あなたとても真面目だねー!」と、純粋に誰かを褒めたとしても

 

 

もしかしたらその褒められた人は「真面目=ツマラナイ奴」という意味で、言葉を定義しているかもしれません。

 

そうなると褒めた側は「褒めたった」と思っているのに、褒められた側は「バカにされた」と思ってしまうという、何とも言えない感じになります。

 

 

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ここで大切なのは【同じ言葉でも、1人1人の意味合いは少しずつ違うんだ】と認識することです。

 

 

 

 

 

◆イドラをまとめると、、、、

 


と、まぁ、こんな感じで、ベーコンは偏見や先入観を4種類に分けたんです。

 

 

今でもやらかしてしまう事が多いものばかりですよね。私もです。

 

 

まずはこれら4種類のイドラ(偏見や先入観)を排除して、客観的に見てから、知を獲得していこうと言ったのが、ベーコンです。

 

これはかなり大切な事だと思います。

 

相当前に、アリストテレスの【中庸】のお話もしましたが

 

中庸でいるためには、まずはイドラを取り除くのが必須条件だと思います。

 

ということで、今日はこの辺で。

 

くだらない偏見を捨て去って下さい。
そこからが学習のスタートです。
ではでは( ´ ▽ ` )ノ

 

 

 

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