蛇婿入りのあらすじと、苧環型と水乞い型について
◆男性性と女性性と蛇婿入り
どうもどうも( ´ ▽ ` )ノ
ともぴこです。
ここ最近は、女性性と男性性の統合をテーマに、神話や神様との関係性を通して、ここ何回か話をしているんですが
実は昔話や民話にも、女性性というか日本人の民族性や精神性が現れています。
今日はその代表として【蛇婿入り】というお話を紹介しようかと思います。
そもそも、この【蛇婿入り】という民話は何故か日本各地で語られていて、その種類も結構あります。
が、大きくは苧環(おだまき)型と水乞(みずご)い型に分類されます。
ではでは見ていきましょう。
その前に
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①苧環(おだまき)型
むかしむかしあるところに、一人娘をもった夫婦がいました。
娘が年頃になったあるときから、見知らぬ若者が毎晩娘のもとにかよってくるようになりました。
若者が通うようになって、娘はだんだんと元気がなくなり、しだいにやせ細っていきました。
「若者が怪しい」とにらんだ両親は、娘に長い糸のついた針をわたし、それを帰ろうとする若者の着物にさすように、と言いました。
次の日、父親は糸をたどっていきました。
すると、糸は山奥へとつあんがっており、やがて大きな洞穴にたどりつきました。
おそるおそる中をのぞくと、そこには二匹の蛇がて、そのうち一匹の蛇の喉には針が刺さっていました。
針の刺さっている蛇は、いまにも死にそうです。
「ほら、おまえ。言っただろ。人間なんかにちょっかいを出したから、猛毒の鉄にやられたんだ」と、もう一匹の蛇がいいました。
針の刺さった蛇が、弱弱しい声で「俺はもう助からん。しかし、娘の腹の中に子どもを宿してきた。それで十分だ」と言いました。
「いや、人間には知恵がある、油断できん。菖蒲湯につかれば、腹の中の子どもはみな流れてしまうぞ」
それを聞くと、父親は大急ぎで山をおり、早速菖蒲湯を沸かして、娘を入れました。
すると、娘の体からたくさんの蛇の死体が出てきました。
こうして娘の命は助かりました。
このことから、五月の節句には菖蒲湯に入るようになった、ということです。
②水乞い型
むかしむかし
あるところに三人の娘をもった男がいました。
ある夏のこと、日照りが何日もつづいて、田んぼの水がすっかり干上がってしまいました。
男は「だれか田に水をかけてくれないだろうか。そうすれば、三人の娘のうち、ひとりを嫁にやるが」と、独り言をいいました。
次の日、男が田に行ってみると、昨日まで干上がっていた田は水でいっぱいになっていました。
男が喜んでいると、ひとりの若侍がやってきて「わしは山の湖に住む大蛇の化身だ。おまえの田を水でいっぱいにしてやったから、娘をひとりもらうぞ」男はびっくりしましたが、いまさら嫌とはいえません。
「わかりました。では、明日家に来てください。娘を差し上げましょう」と言って、男は家に帰りました。
男は、三人の娘を集めてそのことを話しました。
上の二人は「蛇の嫁なんていやだ」と断りましたが、末の娘は「わかりました、わたしが行きましょう」と、承諾しました。
そして、父親にひょうたんを百個と、たくさんの針を用意してもらいました。
あくる日、蛇の化身である若侍が、娘を迎えに来ました。
娘は用意してもらった道具をもって、一緒に山へ登ります。
やがて、大きな湖につきました。
「ここがわしの家だ。さあ、中へ入るがよい」蛇が言うと
娘は
「それでは、まずこの嫁入り道具を沈めてください」と、ひょうたんを湖に投げ入れました。
若侍は
「そんなことはわけない」と、たちまち大蛇に姿を変え、ひょうたんを沈めようとしました。
しかし、ひょうたんはひとつ沈めれば、ひとつが浮き、また沈めようとすれば、さっき沈めたのが浮き、となかなか沈めることができません。
やがて、蛇も疲れてきました。
娘はそれを見て、蛇にむかって針をばらまきました。蛇の体に鉄は毒です。それが、体にたくさん刺さったからたまりません。
蛇は息絶えてしまいました。
こうして娘は家に帰りました。
親孝行で知恵も勇気もあると評判になり、やがて良いところへ嫁ぎ、幸せに暮らしたということです。
これが蛇婿入りという代表的な民話です。
実はこれ、かなり女性性が強く反映されてるんですが、どこら辺にそれがあるか分かりますか?
そして日本の民話の多くは、西洋のグリム童話などとは、大きく一線を画するものがあります。
それは何だと思いますか?
比較しながら考えてみて下さい。
ではでは( ´ ▽ ` )ノ
貴重なエネルギーを使って読んで下さり、ありがとうございました。
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