アリストテレスが提唱した【中庸】とは何か?理解しよう

 ◆中庸という考え方

 

 

どうもどうも( ´ ▽ ` )ノ

ともぴこです。

 

 

 

今日取り上げたいのは【中庸】という考え方で、これはアリストテレスの思想で、現代でも非常に使い易いものです。

 

 

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聞いたことがある人も多いと思います。

 

 

 

「じゃあ、中庸の意味ってなんなの?」というと

 

 

 

辞書によれば

 

 

 

①過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。


アリストテレス倫理学で、徳の中心になる概念。過大と過小の両極端を悪徳とし、徳は正しい中間(中庸)を発見してこれを選ぶことにあるとした。

 

 

 

と書いてあります。

 

 

うん、正に辞書の通りなのですが、もう少し詳しく解説していきます。

 

 

 

深く理解していくためには、まずアリストテレスがこの【中庸】という考えに至るまでのプロセスを説明する必要が出てくるので、解説していきます。

 

 

 

 

 

 

アリストテレスが「中庸」という思想に至った理由

 

アリストテレスは、哲学や論理学や生物学などあらゆる学問を研究していて、その功績から「万学の祖」なんて呼ばれているんですが、実は様々な政治体制も否定した、キレッキレのコメンテーター でもありました。

 

 

 

どんな政治体制を否定してきたかというと?

 

 

 

君主制

 


これはたった1人の絶大な権力者や王様が統治する政治体制です。当時の世界はこのパターンが多かったはずです。


確かにこれはトップに立つ人間が優れた人物ならうまくいくのですが、トップがお馬鹿な場合は大変な事になります。


もしくは独裁政治に突っ込みますね。


現代で言えば北朝鮮は未だにこの君主制・独裁政治に似た構造です。


つまり「トップに権力を集めるのは危険だし、リスクが大きい」と捉え、アリストテレスは否定しました。

 

 

 


②貴族政治

 

これは一部の富裕層が行う政治のことです。


さっきの君主制とは違い、権力が分散するので独裁政治を回避することができます。

 

が、これは権力闘争や派閥闘争を引き起こす原因になりますし、政治自体が疎かになるケースが多いです。賄賂や足の引っ張り合いが起き易い政治体制ってことですね。

 


なので、これも否定されます。

 


ちなみに日本も明治〜終戦までは、民主制に見せかけてこっちの要素が強いです。

 

 

 

 

 

 

③民主政治

 

民主政治は現代先進国の多くが採用している政治体制で、誰でも政治に参加できるというメリットはあります。


が、これには【大衆操作】という影が常につきまといます。

 

 


大衆についてはメルマガで散々書いたのですが、一言でまとめると【大衆とは残念ながら、好悪と善悪を区別できず、一時の感情や扇動マーケティングにあっさり流される】という特徴を持っている方々の事です。

 

 

つまり衆愚政治というものになりがちです。

 


国民1人1人がきちんと考える力を持たなければ、ナチスドイツのような事もありうる政治体制ですし、現在この政治体制をとってる先進諸国が順風満帆とは言い難いですよね。

 


要するに、アリストテレスはほぼ全ての政治体制を否定してしまったんです笑

 

 

 

そしてそこから出てきた思想が【中庸】という思想です。

 

 

 

つまり《それぞれの政治体制に極端に寄るのではなく、その時々で最適なものを選べばいいんじゃないか?》という意見です。

 

 

 

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平たく言えば「良いとこ取り」です笑

 

 

これが、アリストテレスが【中庸】という思想を持つプロセスです。

 



 

 

 

◆さらに「中庸」を掘り下げていく

 

 

さらに【中庸】を掘り下げていくと(本当は、中庸はギリシア語では「メンテース」ですけどね。どうでもいい笑)

 

 

ちなみに、この【中庸】という思想は同時代の中国の思想家「孔子」も中庸の大切さを説いてるのですが(これぞシンクロニシティ

 

 

 

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しかも二人の【中庸】の定義までほぼ同じなのです。

 

 

 

その定義をざっくり言えば《バランスのとれている人間(つまり中庸)こそが徳のある人間だ》というものです。

 

 

 

例えば、色んな感情


恐怖
自信
怒り
欲望
悲しみ
憐れみ
嫉妬
快・不快


などなどは感じ過ぎたり持ち過ぎたりするのもマズイですし、全くもないのもマズイですよね?

 

 

 

他に例えるなら


理性と感覚のバランス
冷静と情熱のバランス
勇気と無謀のバランス


も大切ですよね。

 

 

こうやってあらゆる事のバランスを取っている状態(中庸な状態)こそが最善であり、その状態を選べる人が【徳のある人だ】と言っているんです。

 

 

 

 

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アリストテレスの名言に

 

正しい相手に、正しい程度で、正しい時に、正しい目的のために、正しい方法で怒ること、これはすべての人に備わった能力ではなく、簡単なことではない。

 

 

というのがありますが、これは【中庸の難しさ】を表したものです。

 

 

よく本屋にある「超訳アリストテレスの名言」みたいな本を読んでも、この言葉の背景までは記されてないので、あんまり意味がないんですよね。

 


話は逸れましたが「中庸は一見簡単そうに見えるが、実践するのは大変だ」というコトです。

 

  

人間は知らず知らずのうちに、どっちかに傾いていってしまう生き物なので。

 

 

 

よく、成果を出すことや目立つことを勘違いしているアンポンタンは、敢えてどちらかに寄り【クレイジー】を演出しようとしていますが、実はそれこそが凡人なのです。

 

 

「自分は普通の人ですよー!」と自白してしまっているんです。

だって傾いてるんですもん笑。しかも徳がない。

 

 

ただ、傾きも傾きまくれば天才・化け物になる可能性はありますが、、、、、

バランスが崩れているので、長続きしないというデメリットがあります。

 

 

 


要は《バランスのとれている人ほど、実はクレイジーってコトです。

これが私のクレイジー理論です笑

 

 

 

本当に成長したく
本当に何かで活躍したく
本当に人のお役に立ちたいのなら

 

バランスを整える。中庸になる。

 

というのは避けて通れません。

 

 

奇をてらってバランスを崩すのは一見近道のように見えますが、実は本質からどんどん遠ざかっているんです。

 

この中庸という概念は、後の哲学者や思想家が手を替え品を替え何度も言い続けて、再定義しているものです。

 

 

ユングパスカルダヴィンチも言ってますね。

 

 

もし今日の記事を読んでる人の中で、敢えて極端な方に寄り目立とうとしてた方は、この記事を戒めとして何度も読んでみて下さい。

 

 

最後に気をつけて欲しいのは、中庸=常に5:5ではありません。


場面場面によって割合を適切に変えられる人が、真の徳のある人、中庸な人です。


怒りの感情を消すのではなく、怒るべきところでは怒るってコトですね。

 

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ではではー( ´ ▽ ` )ノ

貴重なエネルギーを使い読んで頂きありがとうございました。

 

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